ここは研究所とは名ばかり、マギー財閥の節税のために作られたペーパーカンパニーの所在地として登記してある、ただそれだけのための場所。
ミーはいう。
まつたけはビックリした。この猫は心を読めるのか。三又か。などと思いつつ猫の手元を見ると、「はじめての方への応対マニュアル」と記載された紙がある。猫はこれを読んでいるだけのようだ。
そもそも、マギー研究所の起こりは1800年代に始まる東インド会社のスエズ運河建設に関わる人材調達会社として発足s・・・
猫はその後この原稿を噛み噛みで30分にわたって読み上げた。
どうしてこうなった・・・
誰に言うともなくつぶやく。
我々マギー研究所は、あの家から定期的にまつたけが運び出されているのを、あの家に派遣しているゴキブリからの情報で知っていた。それと同時に、あの家の住人が一定期間ごとに入れ替わって生活していることも分かっている。本人は気づいていないという点で、我々マギー研究所の興味を引いた。マギー財閥は元々クランと呼ばれる宗教法人に端を発しているため、行動学的な情報は特に慎重に分析することを伝統としている。また、まつたけの栽培という前人未到の分野であることも、今度の大統領選出馬する我々の資金源として有効であるとの採決が下された。
これまで、あの家からは4度のまつたけの奪取に成功している。こちらの被害は10。けして小さくはないが、大きくもない。それほど貴重な情報を我々にもたらした。
前の3体はどうなった・・・?
まつたけは聞く。
シャラップ!!!!111
ミーは牙をむき、目をむき、吼えた。あの、ほら、猫ってすごい興奮すると、口とかすごい開いて結構怖いじゃん?毛とか逆立って。そんな感じになってる感じ?
まつたけは混乱して髪の毛をちぎって頬張る。とてもおいしかった。
ちょっと待ってね、今おいしいもの作るから。
ミーはそういうと冷蔵庫を開け、おいしそうなきのこを取り出した。
食べ物は人の心を和ます。